家にいる時間は、少しでも心地よくありたいもの。わたしたちは、暮らしの中心で、最も大切な家具の一つは椅子であると考えます。なぜなら、1日のうちの使用頻度が高く、なにより手に取る(使う)ことが多い家具。長時間使うことも多いので、自分の体に合っていることが何より重要であると考えます。そして、室内のインテリアとも合うことが大切です。
今回は、椅子のサイズ選びのお話と、木製椅子の樹種をどのように選ぶかのお話をいたします。
お店に行くと、数多くの椅子があり、素材や機能、サイズも多様にあるなかで、どれが一番自分に合うのだろうかと、悩むことも多いのではないでしょうか。デザイン性だけで選んでしまい、後々使わずにオブジェと化しているのでは勿体ないですよね。だからこそ、自分に合った椅子を選んでいただきたいと考えています。
自分に合った椅子選びの方法とは?
椅子を選ぶときは、普段椅子に座るときの姿勢で試してみることが大切です。人によって座り方のくせがあるので、座った時に骨に当たらないか、座る動作や立ち上がる動作に違和感はないか。
意外と盲点になりがちなのが、椅子に座りながら横や斜めを向く動作はしやすいか。明日に座りながら、テーブルの上のものを手に取ったり、横にいる人と会話をするときなど、座るときは常に前向きとは限りません。できる限り、普段の暮らし方をイメージすることが大切です。また、お店に足を運ぶ前に、椅子と一緒に使用する予定のテーブルの高さも計測しておきましょう。テーブルの高さと、椅子の座面の高さのバランス次第でも使い心地は大きく左右されます。
テーブルの天板から、椅子の座面までの高さを差尺と言いますが、この差尺は座る人の身長によって、適切な数値が異なります。つまり、自分に最適な差尺を知っておくと、自分に合う椅子を選ぶ目安になります。
差尺の出し方
(身長(cm)×0.55)÷3
例えば、私は身長160cmなので、
(160×0.55)÷3 =29.33(約30cm)
テーブルの高さが70cmであれば、椅子の高さは40cmのものが自分に合う椅子ということです。だいたいの、差尺を頭に入れておくことで、店頭で気に入った椅子を、自宅で使ってみたら使いにくく感じた、というギャップを防ぐことができます。
ご自身に合う椅子のサイズが分かれば、おのずと選択肢も絞り込むことが可能です。一番は座り心地を重視し、デザインは二の次だと考えても良いくらいに、座り心地は最も重要視していただければと思います。デザイナーズチェアは、座り心地にこだわった結果、そこから生まれた造形が意匠としてデザインに落とし込まれているものが多いので、もしも良いな、と思うデザインの椅子があれば、なぜそのデザインなのか、お店の方へ尋ねてみるのもいいかもしれません。
デザインの話。
今回は最もスタンダードな、木製椅子の樹種はどう選んだら良いか。ポイントは、たった2つ。
建具の色または床の色と合わせる
座面の色(ファブリックの場合)はお部屋のアソートカラーと合わせる
建具の色や、床の色と合わせる
建具というのは、例えばドアの色や、クローゼットの扉の色など、室内の作り付けのものを指します。こういった建具や、床など、室内の主要な面積を占める色彩と色相(色味。茶色、白、など)や明度(色の明るさ)、彩度(色の鮮やかさ)を合わせることで統一感を出すことができます。
このような板見本が店頭には置いてある場合が多いので、ご自身の室内の建具や床色に近いものはないか、いくつか比較してみることが大切です。また、樹種だけでなく、仕上げ(オイル仕上げやラッカー仕上げなど)によっても色味が異なりますので注意が必要です。
例えば、同じオーク材でもオイル仕上げとラッカー仕上げでは光沢感が全く異なるのでお部屋の印象が全く変わってしまう上に、オイル仕上げはオイルメンテナンスを重ねるうちに少しずつ樹種の色味が濃くなっていく傾向が強いので、購入時の樹種の色とは変化する可能性があることも注意しましょう。
座面(ファブリック)の色を選ぶ
お部屋のアソートカラーに合わせてみましょう。アソートカラーとは、お部屋の約25%を占める色のことです。例えば、カーテンや、ラグなど、建具や床の次に室内に占める面積が多いものを指します。
室内の装飾と、座面の色を合わせることで、色彩が散らばらないので簡単にまとまりのあるインテリアに仕上げることができます。この時にも、やはり明度や彩度に気を配ることが大切です。一口に赤色、と言っても鮮やかな赤色もあれば、深い赤色もあります。同じ室内に、さまざまな明るさの赤色が散らばると、統一感が失われてしまう危険性があります。
自分に合う椅子選びや、インテリアに合う椅子のご提案サービスも行っています。もしお困りの際は、お気軽にご相談お待ちしております。
詳しくは、こちらより。
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