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日常の風景に美しさを見出せるようになること(Wolfgang Tillmansを見て)

写真というものは不思議で、絵画やグラフィックアートとは異なり、現実の世界を写したものであるにも関わらず、今までに自分が見たことのない景色をみせてくれ、それは時に感動や興奮を呼び起こします。

そして、人の心を動かすものは何気ない日常の中にあるということに改めて気付かされます。


東京はエスパス・ルイヴィトンにて、ウォルフガング・ティルマンスという写真家の展示が6月11日まで開催されています。ティルマンスは長年、あらゆる対象のポートレートを撮り続けてきました。対象に個性をあらわにするポートレート作品は、鑑賞者の心に訴えかけ、ある人にとっては親しみ、ある人にとっては悲しみ、切なさなどの感情を揺さぶります。

また、ティルマンスの写真は大きく引き伸ばされたものも多く、より鑑賞者が作品の世界に没頭するような仕掛けがされているようにも思えます。


写真を見ていると、日常の中にある美しいものの存在を感じさせられます。カーテン越しの光のゆらめきや、照明の灯りをけしてキャンドルを灯したときのほのかな光のこと・・。人生を豊かにするということは、こうした些細な美しいものに感性をもつことではないでしょうか。


インテリアも、いわば身の回りを美しく整えるためのもの。ステンレスの美しいデザインのカトラリーで食事をすれば、いつものダイニングはたちまち華やかさが生まれ、思わず普段の食事も気分が高揚してくるでしょう。暮らしの中の些細な美しさを見逃さないこと。それが豊かに暮らすということなのだと思います。





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